「家にお医者さんが来てくれる」は本当に安心?往診と訪問診療、家族が知っておきたい違い

家族のための介護保険

どうも、CM-T(@freedas_)です。

ケアマネとして仕事をしていると、利用者のご家族からこんな話を聞くことがあります。

「何年も見てくれてる近くの先生(医師)がいるけど、寝たきりになって通えなくなってきました…」

そして翌週訪ねると今度は、

「先生が毎週家に来てくれるそうで安心しました!」

喜ぶ本人と家族。

医師が自宅に来てくれる。それはとても心強いことですよね。

でも実はここで一つ、注意しなければならないことがあるのです。

それは「訪問診療なのか、往診なのか」という点です。

どちらの方法で医師が自宅に来ているのかで、

在宅生活を続けるうえで、後々に影響が出る可能性があります。

「往診」と「訪問診療」は似て非なる別物

上の二つの言葉のうち、「往診」のほうが効き馴染みのある方も多いのではないでしょうか?

実はどちらも医師が自宅に来てくれるという意味では、

同じような診療のスタイルです。

しかし実は、医療制度上はまったく別の仕組みなのです。

 

往診は、急に具合が悪くなったときなど、患者・家族から求めがあったときに、

医師が臨時で駆けつける診療のこと。

基本的には突発的・臨時的な対応を想定しています。

 

訪問診療は「毎週○曜日に来ます」というように、

計画を立てて定期的・継続的に医師が自宅を訪問する医療です。

訪問診療では、診療計画書を作り、患者・家族に説明して同意を取り、

緊急時の対応体制も整えることが求められます。

なぜ違いが重要なの?

一番大きな違いは、緊急時の対応力です。

訪問診療を行っているクリニック(特に「在宅療養支援診療所」)は、

夜間や休日も含めた緊急対応の体制を整えることが求められています。

「夜中に急に苦しくなった」「週末に熱が出た」というときに連絡できる体制があるので、在宅療養の安心感に直結します。

一方、往診を行っているだけのクリニックには、

そうした緊急対応体制の整備義務はありません。

そのため平日定期的に来てくれていても、

例えば休診日に何かが起こった時、頼れるかどうかは別の話になります。

また、医療費にも影響があります

訪問診療には専用の診療報酬が設定されており、

在宅療養支援診療所による訪問診療では各種加算も使えます。

往診を繰り返す形だと、こうした制度的なメリットを受けられないケースがあります。

こんなケースにはご用心

はじめに話したような、

「訪問診療はできないが、往診ならできるので定期的に往診する」

と説明するクリニックが、ごくまれに存在します。

 

毎週来てくれるなら同じでは?と思うかもしれないません。

しかし先ほど書いたように、緊急時の対応体制や医療費の扱いが変わってくる可能性があります。

そのような提案を受けたなら、訪問診療と往診の違いについて、クリニックから十分な説明を受けたかどうかを振り返ってみてくださいね。

ケアマネージャーに相談してみよう

「うちの親を診てくれているのは往診?訪問診療?」と疑問に思ったら、

担当のケアマネージャーに相談してみるのもいいでしょう。

ケアマネは医療機関との連携を調整する役割を持っているので、

現在の医療体制が適切かどうか?

緊急時に頼れる体制があるかどうか?

一緒に確認することができると思います。

「お医者さんが来てくれてる」という安心感は大切です。

でも、その安心があなたやご家族にとって、適切な方法で行われているのか?

一度立ち止まって確認してみることをおすすめします。

▶ ケアマネ向けに書いた記事はこちら:「定期往診」するクリニックにモヤった話。ケアマネが知っておきたい往診と訪問診療の違い

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