ファイナンスと農の共通点 多品目・分散栽培で自給自足を成功させる

自給自足

コロナ禍の2021年4月、

山梨で開催された

『自給農講座 in 山梨 黄金農園』

八百屋さんのような畑づくり 市川ジャンさん自給農法セミナーin八ヶ岳 4月10日(土)4月11日(日) | 黄金の金玉を知らないか?

 

わたしも講師ジャンさんのスタッフとして、

一緒に熊本から山梨まで行ってきました。

 

※自給農法や市川ジャンさんを知らない人は、下の記事をどうぞ、

自給自足なら『自給農法』①自然と共に感性で作る自分だけの『エサバ』
このシリーズでは、 「自然農法にトライしたけど、なかなかうまくいかない…」 そんな悩めるあな...

 

 

その旅の途中、不意にジャンさんの口から出てきたのが、

ファイナンスと農(特に自給農法)はかなり似ている

という言葉。

 

え?

どういうこと??

とはじめは思いましたが、

詳しく聞いてみると超絶納得。

 

巷では『投資』が流行っているようですが、

自給農法と投資などのファイナンスを比較すると…

 

「投資もいいけど、やっぱりコロナ禍では畑もすべきだな」

と、改めて感じる事ができます。

 

そこで今回はシリーズで紹介しようと思います。

 

ちなみにジャンさんは講座1日目でこの『投資と畑の類似点』

に関して話をしていました。

 

 

それでは本題です。

 

 

『ファイナンス』と『農』の共通点

 

ジャンさんいわく、

最近投資やファイナンスを勉強していたら、農とファイナンスの共通点が多くて驚いた。

との事。

 

 

どういうことかとよく聞けば

 

ファイナンス 農(自給農法)
分散投資 多品目分散栽培
ドルコスト平均法(定額購入法) 種蒔き、間引きの時期ずらし
種銭と複利で増やす 種とりで倍々に増やす

 

た、確かに…似ている!

 

でもよくよく考えてみると、

まず基本的な構造がほぼ同じであると気づきます。

 

畑(市場)に種(資本・種銭)を置き、増やし、収穫(回収)する
そのサイクルを繰り返すことで増える

 

そして、どちらも最大収量を確保するために

リスクヘッジを行いますね。

 

このように元の構造が同じなので、

自給自足を成功させたいのであれば、

投資はいいヒントになるわけです。

 

そして、さらに考えを進めてみると、

これらの共通点は、

現代の一般的な農法では当てはまらないことに気づきます。

 

たとえば、『種まきや収穫の時期をずらす』

などは慣行農法では行われません。

 

ポジショントークになりますが、

自給農法はそもそも『本気で自給自足するための農法』

なので、必然的に投資と同じ方法論に帰結していると感じます。

 

※自給農法について知らない方は下の記事を参考にどうぞ

自給自足なら『自給農法』①自然と共に感性で作る自分だけの『エサバ』
このシリーズでは、 「自然農法にトライしたけど、なかなかうまくいかない…」 そんな悩めるあな...

 

 

今回は『分散投資と多品目の分散栽培』について比較、深堀します。

 

『分散投資』と『多品目の分散栽培』

 

 

投資では『ポートフォリオ』という言葉が使われます。

 

ポートフォリオとは、金融商品の組み合わせのことで、特に具体的な運用商品の詳細な組み合わせを指します。

「ポートフォリオを組む」ということは、どのような投資信託を購入しようか、株はどの銘柄で何株ほど持つか、などの検討をするという意味です。

SMBC日興証券サイトより

 

 

あなたが投資している対象が

賃貸アパート1棟だけだった。

そして、その家賃収入だけで暮らしていたとしましょう。

 

もしも住民が自殺して

『事故物件』になってしまえば…(物騒な例だな)

 

住民が次々に退居していき、

誰も寄り付かない幽霊アパートとなり、

経費がかかるだけのお荷物投資対象に。

 

さらに、その家賃収入がストップするので、

破産する可能性がありますね。

 

しかし、もしも『不動産』『金』『ビットコイン』『ドル』

など複数の投資対象でポートフォリオを組んでいれば、

1つの投資対象がダメになっても

他の投資対象が持ちこたえることで、

資産全体で見たときにダメージを小さくできます。

 

これを『(リスク)分散投資』と呼ぶのですね。

 

これは、まったくもって畑に応用できる考え方です。

 

当たり前ですが、

1つの作物で自給自足するのは難しいです。

 

「いやいや、俺は毎日ジャガイモさえ食べれば生きていける!」

というツワモノもいるかもしれません。

 

しかし、もしもそのジャガイモが

天候などにより不作だったらどうでしょうか?

 

・・・飢え死にの危機ですね。

フフフ(オイ)

 

しかしジャガイモとは違う性質の

たとえば里芋やコメなどを同時に植えておけば…

 

ジャガイモにとっての悪天候も、

米にとっては好天候かもしれず、

豊作となり飢えずに済みます。

 

つまり、自分が自給自足をするために必要な作物を、

どれぐらい必要なのか把握したうえで、

『品目やそれぞれの作付け量を考えること=畑のポートフォリオ』

を作っておくことが重要になります。

 

何かの作物に失敗しても、

他の作物がうまくいけばOKですね。

 

多品目の分散栽培で失敗しないコツ

ちなみに、

やりがちな失敗として、

以下の点には注意しましょう。

 

多品目の分散栽培だ!

と意気込んだあなたは、

ホームセンターで以下の苗を買いました。

 

・ピーマン6株
・ナス6株
・サトイモ6株
・ジャガイモ6株
・こまつな6株
・ネギ6株

 

しかし、これは失敗する可能性が高まります。

 

こんな畑のポートフォリオは組まないようにしましょう。

 

なぜなら

1か月の自給(食べるため)に必要な量は

品目によって違うからです。

 

ジャガイモと同じ量のネギは要りませんよね?笑

 

現実的には、

 

・ピーマン3株
・ナス3株
・サトイモ10株
・ジャガイモ15株
・こまつな3株
・ネギ2株

 

こんな感じになるでしょうか。

 

投資であれば、

どの対象にどれぐらいの資金を投入すればよいのかは、

証券会社や銀行、ご意見番などに相談するでしょう。

 

自給農法では、

腹が膨れる作物を中心に作付けし、

余った土地で副菜を作ります。

 

労働ではなく『感性』を使う自給農法。

 

ポートフォリオは自分のお腹に聞きながら組みましょう。笑

ガチで自給自足せにゃなりませんから。

 

そして、さらにツッコんで考えると

使える畑の広さによっても、

ポートフォリオの組み方を

工夫する必要があることに気づきます。

 

1人の人間が100%自給自足するためには、

だいたい50坪前後の畑の広さが必要だと言われています。

 

もしも使える畑が10坪しかない場合、

ジャガイモを自給できる分植え付けてしまえば、

それ以外の作物を植えるスペースがなくなるかもしれません。

 

狭いなら狭いなりに、

優先順位や必要量を考えながら

ポートフォリオを組みましょう。

 

まずは自分が使える畑の広さから、

それぞれの作物の自給率をどれぐらいに設定するのか

考えるといいかもしれません。

 

※参考記事

【自給農法】zoom講座②:100 %自給自足に必要な畑の広さは?
新型コロナで不安定な世界に突入。 食糧自給率を自分で上げたい! そんなあなたにピッタリな自給農法。 ...

 

 

分散投資から学ぶ『多品目の分散栽培』 まとめ

・投資同様、畑もポートフォリオでリスク回避
・投資対象(品目)や量(作付け量)は『お腹に聞く』
・自分の市場(畑の広さ)によって投資品目や量を調整

 

投資はハイリスクなものほどハイリターンですが、

畑も自然災害その他ハイリスクであり、ハイリターン。

 

しかし、自給農法の考え方では

『自然界は常にバブルで倍々ゲーム』

そして特に日本は他の国に比べても

更地にあっという間に雑草や木々が生い茂る

『森に向かう力が強い国』。

 

自給自足なら『自給農法』②:無肥料・無農薬でも育つ理由
100人いれば100通りの『エサバ』(毎日野菜が採れる畑)になる『自給農法』。 そんな常識外れの農法に関し...

 

 

自然の力を抑え込む方向(除草・除虫・土づくりなど)

に労力を費やさず活かす方向に使えば、

畑は意外に楽ちん・簡単な投資となります。

 

そう考えてみると、

自給農法はあらゆる農法の中でも、

最もリスクを軽減した農法と言えそうです。

 

それでは今回はここまで。

 

次回は

『種蒔き、間引き(収穫)などの時期ずらし→ドルコスト平均法』

に関してです。

 

さいならー

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