どうも、masa-T(@freedas_)です。
100人いれば100通りの『エサバ』(毎日野菜が採れる畑)になる『自給農法』。
とある自然農講座でそんな常識外れの農法を学んできたのでまとめています。

自然農法や自給自足をしている人もこれからしてみたい人も必見よ!
今回はその第2回です。読んでいない方はその①からどうぞ。

それでは座学で学んだ内容を引き続きまとめていきます。
『無肥料』『無農薬』でもしっかりと育つ!?
植物が育つワケって、一般的には『光』と『水』・『空気』・『土壌の栄養素(窒素・カリ・リン)』、そして植物自身の『光合成』ですよね。
だから今の農業の考え方でいくと、肥料で土に栄養素を補って、病気が出ないように農薬まいて、栄養を雑草に取られないように排除するんですね。
そして収穫が済んだ畑は土が硬くなっているからまた耕して、栄養がなくなっているからまた肥料を施して、雑草や病気の予防にまた農薬まいて…
とまあ大変です。エンドレスにお金も手間もかかります。

ほんと、農家の人はたいへんな苦労して野菜を作ってるんだよな!その割に野菜って安すぎると思う!
では『自給農法』は「植物が育つワケ」をどう考えているのか?なぜ『無肥料』『無農薬』でもしっかりと育つのか?
その答えは
なぜ自然の中では野草や木々が勝手に健全に育っていくのか?
を考えるところからはじまります。
①大地の再生力を活かす
『自然界はみんな共同で最後は森を作る』
講師のジャンさんに教わった印象的な言葉です。
ポイントは『みんな』。
人間が何も手を加えない土地は、長い年月をかけて必ず最後には森になる…
植物だけにフォーカスした場合、その移り変わりを『植生遷移』と言うそうです。
これは何となく知っていました。
しかし『みんな』で森を作るというのは、
植物だけでなく、菌も、虫も、鳥も、動物も、植物も、すべての生き物のすべての営みが森を作る方向に働いているということ。
それは例えば…
鳥が木の実を食べて飛んだ先で種が入ったフンを落とす
イノシシが穴を掘ってそこに窪地が好きな植物が繁茂する
白アリが弱った木に巣を作ったことで木が枯れ、菌のたくさん住む腐葉土となり、次の木をはぐくむ
このように『すべての生き物のすべての営み』は、大きく見れば森を作る方向に働くらしいです。
森を作る力=大地の再生力
自給農法は、この『大地の再生力』を抑えるのではなく、手伝ったり助けることで、病気にならず、肥料もいらない健全な作物が育つ方法。
言い換えれば、『感性』を働かせてその力(大地の再生力)を見抜き、共同作業するようなイメージでしょうか。

今の農業は大地の再生力を抑える方向にものすごく労力を使ってるから非効率なのね…
②『次世代土壌』を活かす

なんか次世代ってカッコイイな!最新の土壌改良システムみたいな?
もちろんそうではなく、「もうできている」(※前回記事参照)から、『次世代』なんです。
分かりやすく言えば、
その植物が次の世代のために作っている土壌のことで、それは根っこがつかんでいる土
自然の植物(野草や雑草)は、自分の子供や子孫(次世代)が育つのに適切な環境を自分の根っこのまわりに作っているということですね。
つまり雑草が生えていれば、そこには必ず次世代土壌が存在します。
また、『連作障害』が自然界では起こらない(雑草は毎年同じ場所に生える)のもこの理由からです。
土壌が持つこの本来の力を使えば連作障害も起こらない。というよりも逆にどんどん連作に適していくということ。

気持ちいいぐらい常識が崩壊してきたし、自然の摂理に沿ってるからすごい納得。
よく言われる「土ができていない」のではなく、「すべてここにある」と考えることから自給農法がはじまります。
植物が育つために一番いい土壌は雑草などがすでに作ってくれている。「土はもうできている」んです。

理論は納得。でもさ…オレも雑草は排除しないでやってきたけどちっとも育たなかったよ…なんで?
その答えは講師のジャンさん語録からいただきます。
「野菜って、外人なんですよ(原産地はほとんど外国)。だから地元の人(雑草)がたくさんいるところに種をまいたり苗を植えると遠慮するんです」
「だからそこを手伝ってある程度勢いのある状態(根っこがしっかりとした状態)にしてあげられれば、今度は周りの地元の人が遠慮しはじめます(しっかりと育ちだす)」
「苗を作るはじめの1ヵ月で、しっかり収穫できるかどうかの7割が決まります」
「そういう意味ではホームセンターの苗はほぼ全滅です。ちゃんとした苗でないと、その後挽回するのはかなり難しいです」

なんか…全部人間と同じだな。当たり前のことばっかりだけど気づかなかった…
自然農法でよく言われる『雑草を敵にしない』『自然は耕さない(不耕起)』などの素敵な言葉をただうのみにしてもダメってことですね。
方法論ではなく、もっと当たり前の『感性』で向き合わないといけなかったんですね…反省。
Q:具体的に次世代土壌をどう活かすの?
A:・根土を集めるために、雑草の根までの表層を削った土でウネを作る
・根土の中に種まきをする。根土のポットで苗づくりをする
詳細はまた違う記事で。
③分け合うことで増やす
ピラミッドで考えているのは人間だけ

…分け合ったら減らないにしても増えはしねえだろ?
たしかにふつうはそう思いますよね?
ここでもジャンさん語録をどうぞ。
「自然界はいつもバブル(終わらない)。倍々ゲームで増える」
「生き物はそれぞれの役割をまっとうしているだけ。どの行為も実は分け合っている」
「多様性があればあるほど豊かな場所になり、共存共栄できる」
例えば、お米(イネ)は「一粒万倍」と言われます。
実際には慣行栽培(一般的なコメの栽培方法)で多くて2,000粒程度(参考:クボタのタネ)。
それでも2,000倍ってすごいですよね!

仮想通貨バブルでも1,000倍ぐらいだったのにそれ以上!…しかも終わりがない!
そんなふうに倍々ゲームな自然界は、全ての動物が分け合っているからこそ成り立つということ。
例えば…もしある虫を『害虫』として排除した場合、
その虫が食べていた草が増えすぎる
⇒他の草が育ちにくくなる
⇒他の草を餌とする虫がいなくなる
⇒その虫が好きだった鳥がこなくなる
⇒その鳥のフンが好きな微生物がいなくなる
⇒その微生物が好きだった病原菌が発生しやすくなる
とまあこんな感じでしょうか。
だから雑草や虫がたくさんいる、多くの生物にとってのいい『エサバ』であればあるほど、人間にとってもいい『エサバ』になるということですね。

『害虫』って人間が勝手に思ってるだけで、自然界からすればいい迷惑よね!
④土掛け3回肥料いらず
この言葉、わたしは初めて聞いたんですけど、昔から日本の農家に伝わる言葉(格言?)だそうです。
講師のジャンさんが、
「他の内容は忘れても、これだけは絶対に覚えて帰ってほしい!」
と言ったほど重要なテクニックです。
具体的には、
収穫までに3回、ウネの側面の表面を雑草ごと削って、草と土をフワッと混ぜて(チャーハン状態と呼ぶそう)作物の根本にかける
これで除草と肥料やりが同時に完了するとても効率的・合理的な方法とのこと。
ちなみにジャンさんは
「5回とか7回とかいろいろ試したけど、結局3回以上は変わらないので、やっぱり3回が一番いい」
と言ってました。
ジャンさん、実践の人です。
これに関しては詳細な理論の説明はありませんでした。
ともかく古来からのテクニックということです。
無肥料・無農薬で育つワケまとめ
①大地の再生力を活かす
②『次世代土壌』を活かす
③分け合うことで増やす
④土掛け3回肥料いらず
『思想的・感覚的』な内容と『科学的・実践的』な内容のバランスがいいですね。
今までの自然農法って、思想や思い(罪悪感や正義感)が色濃くて、実際的な部分は弱いと感じていたので、それらに比べると「これなら本当にいい野菜ができそう」と素直に納得できるものでした。

はやく試してみたくてウズウズするわね!
それでは今回はここまで。座学のまとめは次回も続く!

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