こんにちは、CM-T(@freedas_)です。
「利用者が転倒した」
「朝と昼の薬を間違えて飲んだ」
「家族から「連絡が遅い」と苦情が入った」
居宅介護支援をやっていれば、
どれもいつか出会う場面です。
そのとき、どこまで記録を残して、どこに報告するのか。
意外とあいまいなまま走っている事業所が多いところだと思います。
この記事では、事故・ヒヤリハット・苦情の3つについて、
居宅介護支援に求められていることを整理します。
記事の最後で、様式のExcel雛形も無料で配布しています。
運営基準で求められていることから確認
居宅介護支援の運営基準では、次のように求められています。
・事故発生時の対応(第27条):事故が発生した場合は、市町村・家族・居宅サービス事業者等へ連絡し、必要な措置を講じること。その状況と処置について記録すること。賠償すべき事故の場合は、損害を賠償すること。
・苦情:利用者からの苦情を受け付けた場合は、その内容等を記録すること。市町村や国保連からの調査・指導にも協力すること。
・記録の整備(第29条):事故の状況・処置の記録や、苦情の内容等の記録を整備し、保存すること。
つまり「対応したこと」だけでは足りなくて、
記録に残して、保存しているところまでが基準となります。
書類の保存期間は、省令では完結の日から2年ですが、
条例で5年としている自治体が多くなっています。
ここは保険者から確認してください。
市町村への報告が必要な事故とは
厚生労働省が示している事故報告の考え方では、
報告の対象は原則として次の2つです。
・死亡に至った事故
・医師の診断を受け、投薬・処置等の治療が必要となった事故
第1報は、事故発生後すみやかに、遅くとも5日以内を目安に提出することとされています。
ただし、注意点が2つあります。
1つ目は、この標準様式がもともと施設系のサービスを想定していること。
居宅介護支援は対象サービスとして明示されておらず、
「その他の居宅等の介護サービスにおける事故報告においても可能な限り活用」
という位置づけです。
2つ目は、上記以外の事故を報告対象にするかどうかは自治体の判断とされていること。
なので「うちの保険者はどこまで報告を求めているか」は、
集団指導の資料などで一度確認しておく必要があります。
保険者が独自の様式を指定している場合は、当然そちらが優先です。
ヒヤリハットは義務ではない。でも残しておくと◎
ヒヤリハットの記録は、
運営基準で義務付けられているものではありません。
それでも残しておくことをおすすめするのは、
理由が3つあります。
・事故の手前で気づけた事実が形に残る
・運営指導で「事故防止にどう取り組んでいるか」を説明する材料になる
・あとから振り返ったとき、事故の予兆が見えることがある
ここで大切なのは、ヒヤリハットを責任追及の道具にしないことです。
「誰のミスか」を書く様式にしてしまうと、誰も出さなくなります。
「どんな場面だったか」
「なぜ事故に至らなかったか」
「次はどうするか」
の3点が書ければ十分です。
苦情とカスタマーハラスメントの線引き
ここが難しいですよね。
結論としては、「分けて考えた方がいい」ということ。
サービスの内容や職員の対応についての正当な申出は「苦情」です。
記録して、事実を確認して、改善につなげる。
これは運営基準どおりの対応になります。
一方で、要求の中身が社会通念上許される範囲を超えていたり、
伝え方が職員の就業環境を害するものであれば、
それはカスタマーハラスメントです。
令和8年10月1日からは、事業主として対策を講じることが義務になりました。
線引きに迷う場面は必ず出てきますが、
まず苦情として受け止めて記録し、
その中でカスハラに当たると判断したら対応を切り替える、
という順番にしておくと現場は動きやすくなります。
カスハラ側の対応は、こちらの記事にまとめています。
様式は「1件1枚」と「一覧」の2階建てにする
今回配布する様式は、次の形にしています。
・事故報告書:1件1枚。状況、対応、連絡先、原因、再発防止策、保険者への報告の有無まで1枚に収める
・ヒヤリハット報告書:1件1枚。事故に至らなかった理由まで書く
・苦情受付簿:年度ごとの一覧。受付日、申出人、内容、結果、完了日を1行で
・苦情対応記録:1件1枚。経過を時系列で残す
苦情を一覧と個票の2階建てにしているのは、
運営指導のときに「今年度は何件あって、どう解決したか」を1枚で見せられるからです。
個票だけだと、あとあと探すのに時間がかかります。
【無料配布】事故・ヒヤリハット・苦情の記録様式一式
この記事で紹介した4つの様式を1つのExcelにまとめました。
記入例つきで、それぞれA4で1枚に印刷できます。
まとめ
・事故は「対応」だけでなく記録と保存まで求められている(第27条・第29条)
・市町村への報告対象は、原則死亡事故と治療が必要になった事故。第1報は5日以内が目安
・それ以外をどこまで報告するかは保険者によって違うので要確認
・ヒヤリハットは義務ではないが、事故防止の取組を示す材料になる
・苦情は記録が必要。カスハラとは分けて考える
最終的な運用は、保険者である自治体の様式や集団指導資料に合わせてください(この記事は令和8年9月時点の情報をもとにしています)。
この記事が、同じところで悩んでいるケアマネさんの参考になれば幸いです。



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