こんにちは、CM-T(@freedas_)です。
特定事業所加算を取っている居宅のみなさん、
毎年の「計画的な研修」、どうやって回していますか?
年間の研修計画を立てて、ケアマネごとに個別研修計画を作って、
受講したら記録を残して、管理者が確認して……。
やることは分かっていても、
少人数の居宅で毎月研修を企画するのは正直しんどいですよね。
現在、うちの居宅は特定事業所加算Ⅱを算定しています。
この記事では、当居宅で実際にやっている研修の回し方を、
個別研修計画の書き方の例もまじえてまとめました。
先にポイントを言ってしまうと、
「研修そのものは外部のサービスを使い倒して個別研修計画だけは自分の課題に合わせて書く」
という分担です。
記事の最後で、個別研修計画と研修受講報告書のExcel雛形も無料で配布しています。
特定事業所加算の研修要件をおさらい
特定事業所加算(Ⅰ)~(Ⅲ)と(A)には、
「介護支援専門員に対し、計画的に研修を実施していること」という要件があります。
ざっくり言うと、次の3つがそろっていればOKです。
・ケアマネごとの個別研修計画がある
・毎年度、少なくとも次の年度が始まるまでに、次年度の計画を作っている(年度の途中で加算を届け出る場合は、届出までに作成)
・計画どおりに実施して、記録が残っている
個別研修計画に入れる項目は、次の4つです(豊中市の留意事項資料より)。
| 項目 | 求められていること |
|---|---|
| 研修の目標 | 個別具体的な目標。達成状況を確認できるよう、明確かつ客観的に評価できるものにする |
| 内容 | 各ケアマネの技能や経験に応じて設定する |
| 研修期間 | いつからいつまで取り組むか |
| 実施時期 | 何月に何を受けるか |
大事なのは、「全員共通の年間スケジュール表が1枚あるだけ」では足りないということです。
年間スケジュールは事業所で共通でかまいませんが、
個別研修計画はケアマネ1人につき1枚作ります。
令和6年度改定で増えた「ヤングケアラー等」の研修
令和6年度の改定で、
「家族に対する介護等を日常的に行っている児童や、障害者、生活困窮者、難病患者等、高齢者以外の対象者への支援に関する知識等に関する事例検討会、研修等に参加していること」
という要件が加わりました。
仕事と介護の両立支援制度や、生活保護制度なども対象になります。
この要件、後で書くようにかなり見落としやすいので要注意です。
運営基準の研修も、1本の計画にまとめる
特定事業所加算とは別に、運営基準でも次の研修が義務になっています。
・高齢者虐待防止
・感染症の予防・まん延防止
・業務継続計画(BCP)
さらに自治体によっては、苦情処理や事故対応、身体的拘束等の原則禁止についての研修の実施状況も確認しています。
加算用と運営基準用で計画をバラバラに管理すると抜けが出やすいので、年間計画は1本にまとめておくのがおすすめです。
委員会・研修・訓練を月1回の会議枠でまとめて回す方法は、こちらの記事で解説しています。
うちの回し方:研修は外部、計画は自分で
少人数の居宅で、毎月テーマを決めて、講師を探して、資料を作って……というのは現実的ではありません。
そこでうちの居宅では、事業所がやることを次の3つだけに絞っています。
・外部の研修の年間スケジュールをもとに、事業所の年間研修計画を作る
・ケアマネごとに、自分の課題に合わせた個別研修計画を書く
・受講したら研修受講報告書を書いて、管理者が確認する
ハック①:介護ソフト会社の研修動画を使う(ワイズマン「ケアリポ」)
うちの居宅では、介護ソフトに「ワイズマン」を使っています。
ワイズマンは「ケアリポ」という会員サイトで研修動画を配信していて、うちの年間研修はこれを軸に組んでいます。
ケアリポの研修コンテンツは、運営指導や介護サービス情報公表システムで実施を確認される14テーマ(認知症ケア、プライバシー保護、事故予防、緊急時対応、感染症・食中毒予防、身体拘束廃止、災害対応・BCP、高齢者虐待防止、精神的ケアなど)をカバーしています。
毎月第1営業日に更新されるので、「今月はこれ」と決めやすいのが助かるところです。
会員登録は無料で、ワイズマンのユーザー限定という表記は見当たりませんでした(一部、プレミアム会員向けの内容もあります)。
ワイズマンを使っていない居宅でも、一度のぞいてみる価値はあると思います。
ただし、使うときの注意点が3つあります。
・公開期間が限られている動画があるので、その月のうちに見る日を決めておかないと見逃す
・テーマは施設系も含めた介護事業所全般向けなので、居宅に必要なテーマ(虐待防止・感染症・BCPなど)が入っているか確認し、足りない分は別の研修で補う
・動画を見ただけでは記録にならないので、受講日・受講者・内容・感想を報告書に残し、管理者が確認するまでが「研修の実施」
ちなみに、ワイズマン以外のソフトを使っている居宅も、
「うちのソフト会社も研修をやっていないか?」は一度確認してみてください。
契約中のソフトのサポートページやメンバーサイトに、案外載っていたりします。
ハック②:福祉用具貸与事業所の研修・セミナーに参加する
もう一つ使えるのが、福祉用具貸与事業所がケアマネ向けに開いている研修やセミナーです。
うちの居宅も、時々お世話になっています。
たとえば、
・株式会社トーカイ:高齢者虐待防止法の解説セミナーをオンラインで開催(トーカイのお知らせ)
などを活用させてもらっています。
福祉用具の実物に触れられる機会や、法改正の解説を無料で聞けたりするのがありがたいところです。
一方で、特定の事業所との付き合いが深くなりすぎないようにする意識は持っておきたいところです。
居宅介護支援には公正中立が求められていて、利用者に特定のサービス事業所を使わせる見返りに、金品などの利益を受け取ることも運営基準で禁じられています。
研修に参加することと、利用者のサービス事業所を選ぶことはきっちり分けて考え、記録上も「外部研修」として淡々と残しておくのが無難です。
地域の貸与事業所や地域包括支援センターの研修案内は、FAXやメールで届いていることも多いです。
年度初めに1年分をざっと拾って年間計画に組み込んでおくと、あとがかなり楽になります。
個別研修計画の書き方の例
ここからは、うちの居宅で使っている個別研修計画の構成を、個人が特定されないように一般化して紹介します。
「現状・課題」と「年間目標」がいちばん大事
計画の冒頭には、事業所名・氏名・記入日に加えて、「個人の現状・課題」と「年間目標」の欄を作っています。
ここが、個別研修計画を「個別」にするいちばん大事な部分です。
現状・課題の書き方の例
施設ケアマネを経て居宅介護支援に復帰し、今年度で2年目。基本業務は身についたが、制度改正の動向を継続的に把握し、実務に反映させる必要がある。また、事業所の主任介護支援専門員体制の強化に向けて、主任介護支援専門員研修の受講・修了を目指す。あわせて、ヤングケアラーなど高齢者以外の対象者への支援や、多職種・他事業所との連携強化も課題である。
経験年数、今年取りたい資格、事業所の中での役割、苦手な分野などを具体的に書くと、次の「研修目標」とのつながりが自然になります。
研修目標・内容・期間・実施時期
本体は、四半期ごとに区切った表にしています。
| 研修目標 | 研修内容 | 期間 | 実施月 |
|---|---|---|---|
| 身体拘束・感染症・認知症ケアの研修を受講し、運営基準にそった支援を徹底する | 4月:身体的拘束の廃止 5月:感染症・食中毒予防とBCP 6月:認知症ケア |
上半期 | 4~6月 |
| 非常災害・プライバシー保護・事故防止の理解を深め、日々の業務に反映する | 7月:非常災害とBCP 8月:プライバシー保護(倫理・法令遵守) 9月:事故の予防・再発防止 |
上半期 | 7~9月 |
| 主任介護支援専門員研修を計画的に受講・修了する | 10月:高齢者虐待防止/主任研修受講開始 11月:感染症とBCP② 12月:身体的拘束の廃止②/主任研修修了 |
下半期 | 10~12月 |
| 緊急時対応・精神的ケアを学び、次年度の計画づくりに活かす | 1月:非常災害とBCP② 2月:緊急時の対応 3月:精神的ケア |
下半期 | 1~3月 |
実際の様式では、この右側に「目標の達成状況」と「管理者確認欄」を付けています。
研修内容の欄は、「計画を作った後に参加した研修も追記する」ルールにしています。
福祉用具貸与事業所のセミナーや地域の事例検討会に飛び入りで参加したときも、ここに書き足しておけば記録が1か所にまとまります。
研修受講報告書は1回1枚
1回ごとの記録は、A4で1枚の研修受講報告書にしています。
項目は「提出日・氏名・所属・研修名・研修日・会場名・講師・研修内容・感想・管理者印」だけのシンプルなものです。
動画研修でもこの1枚があれば、「いつ、誰が、何を受けたか」を運営指導で説明できます。
運営指導で突っ込まれやすい落とし穴
自分の居宅の計画を見直していて「これは突っ込まれるかも」と気づいたところも、正直に書いておきます。
落とし穴①:ヤングケアラー等の研修が計画に入っていない
現状・課題の欄には「ヤングケアラー等への支援」と書いているのに、年間の研修一覧にはそれに当たる回が1つもない。
……はい、うちの計画がまさにこれでした。
ソフト会社の研修動画は高齢者介護が中心なので、ここは別に探す必要があります。
地域包括支援センターや社会福祉協議会の事例検討会、自治体のヤングケアラー研修などに1回参加して、個別研修計画に追記しておきましょう。
落とし穴②:目標がふわっとしていて評価できない
「運営基準の遵守を徹底する」「理解を深める」だけだと、達成できたかどうか判断しにくくなります。
「◯月までに◯◯研修を受講し、報告書を提出する」「◯◯について事業所内で共有する」など、できた・できていないが分かる書き方にしておくと安全です。
落とし穴③:苦情処理・カスハラの研修がない
自治体によっては、苦情処理の研修も確認しています。
令和8年10月からはカスタマーハラスメント対策も事業主の義務になるので、苦情対応とカスハラ対策をセットにした研修を1回入れておくと一石二鳥です。
カスハラ対応マニュアルとフローチャートの雛形は、こちらで無料配布しています。研修の教材にも使えます。
【無料配布】個別研修計画・研修受講報告書の雛形
この記事で紹介した個別研修計画と研修受講報告書を、Excelの雛形にしました。
・個別研修計画(現状・課題、年間目標、四半期ごとの研修目標・内容・期間・達成状況・管理者確認)
・研修受講報告書(1回1枚)
・年間研修スケジュール(事業所共通)
の3シート入りです。記入例付きなので、そのまま書き換えて使ってください。
まとめ
・特定事業所加算の研修要件は、ケアマネごとの個別研修計画を次の年度が始まるまでに作るのが基本
・研修そのものは、介護ソフト会社の研修動画や福祉用具貸与事業所のセミナーなど、外部のサービスを使い倒すと少人数でも回せる
・個別研修計画は「現状・課題」と「年間目標」を具体的に書くと、自然と「個別」になる
・ヤングケアラー等の研修、評価できる目標、苦情処理・カスハラの研修は抜けやすいので要チェック
要件の細かい運用は自治体によって温度差があるので、最終的には指定権者の資料で確認してください(この記事は令和8年9月時点の情報をもとにしています)。
この記事が、同じところで悩んでいるケアマネの参考になれば幸いです。





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