こんにちは、CM-T(@freedas_)です。
突然ですがみなさん、
「一人で居宅をやってみたい」と思ったこと、ありませんか?
法人の方針に合わせなくていいし…
会議のための会議もない…
好きな時に働けるし朝起きなくていいしすぐ帰ってもいいし途中で…(オイ)
そう、なにより自分のペースで、自分が納得できるケアマネジメントができる。
そうなんです。実はわたくし、
いつかは一人ケアマネとして独立したいと思っているのです。
そのため、今年の主任ケアマネの研修を申し込みました。
ご承知のとおり管理者として独立開設のためには、
主任ケアマネが必須となっていたからです。
ところが2026年10月、
その管理者要件を撤廃する案が国の審議会で示されました。
「え、ちょっと待ってや!主任なくてもよかったやんけ!」
「こっちは独立のために取ろうとしとったのにさあ…」
と、思わず心の中でツッコんでしまいました。
とはいえ、
いま働いているのは複数人の居宅。
特定事業所加算の要件は今後も残ると思いますし、
資格として箔がつくから持っておく意味もあるので、
主任ケアマネの取得自体は「まあええか」と思っています。
それよりも気になったのは、
「そもそも一人ケアマネって、なんか前より減ってる気がするんやけど?」
ということでした。
そこでこの記事では、
① 一人ケアマネ規模の事業所が、どれくらい減ったのか(統計を集計しました)
② 減ってきた背景にある制度の流れ
③ おひとり様ケアマネで働くことの魅力と現実
をまとめてみます。
一人ケアマネ規模の事業所は、17年で3割減っていた
まずは数字から見ていきます。
厚生労働省の「介護サービス施設・事業所調査」には、
居宅介護支援事業所を利用者数の規模別に数えた表があります。
これを2007年から2024年まで、
7つの年で集計してみました。

利用者40人未満の事業所は、
2007年の43.8%から、
2024年には30.2%まで減っていました。
反対に、
利用者100人以上の事業所は、
16.8%から30.9%へと、ほぼ倍に。
2024年で、ちょうど逆転しています。
| 年 | 20人未満 | 40人未満 | 50〜99人 | 100人以上 |
|---|---|---|---|---|
| 2007年 | 16.6% | 43.8% | 30.5% | 16.8% |
| 2012年 | 15.7% | 41.1% | 30.7% | 20.4% |
| 2015年 | 15.4% | 41.6% | 30.0% | 21.2% |
| 2016年 | 14.6% | 40.7% | 30.0% | 21.8% |
| 2020年 | 10.2% | 36.5% | 31.3% | 25.5% |
| 2022年 | 9.4% | 34.0% | 29.7% | 28.7% |
| 2024年 | 8.2% | 30.2% | 31.2% | 30.9% |
グラフを見ると、
2016年あたりから減り方が速くなっているのがわかります。
※上の統計を読むときの注意
この集計には、いくつか前提があります。
気になる方は開いて確認してください。
ケアマネの人数ごとに事業所を数えた統計は、
公表されている表の中に見当たりませんでした。そこで、利用者数で代用しています。ケアマネ1人が担当するのは、
だいたい35〜44件くらい。
なので、利用者40人未満の事業所は、
おおむねケアマネ1人以下の規模と考えられます。
ちなみに、
厚生労働省の2019年度の調査では、
常勤換算でケアマネ1人の事業所は30.1%でした。
今回の集計の2020年(36.5%)と近い水準なので、
目安としては大きく外れていないと思います。
そのほかの注意点
・ケアマネの人数を直接数えたものではありません(非常勤2人の小さな事業所も含まれます)
・利用者数は要介護の方のみで、要支援(介護予防支援)は含みません
・この調査は回答した事業所の集計なので、事業所の数ではなく割合で比べています
・分母は、利用者がいる事業所です
集計に使った表は、
e-Statの「介護サービス施設・事業所調査」詳細票編の
「居宅サービスの事業所数,利用実人員階級別(居宅介護支援)」です。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001029805&toukei=00450042
一人ケアマネが減った背景「制度がそれを後押しした」
上の統計だけでは、
一人ケアマネがここまで減った原因は特定できません。
ただ、この17年の制度の流れを並べてみると、
人数の多い事業所ほど続けやすい仕組みが、
少しずつ積み重なってきた流れが見えてきます。
①【2006年~】1人では取れない特定事業所加算開始
ご存知、特定事業所加算は、
主任ケアマネとケアマネを何人配置しているかで決まりますよね。
いちばん小さな加算(A)でも、
主任ケアマネ1名とケアマネ1名を常勤専従で置いたうえで、
さらに常勤換算でケアマネ1名が必要です。
(この1名は、連携先の事業所との兼務でもOK)
つまりケアマネ一人だけの事業所では、どの区分も算定できません。
正直、特定事業所加算なしの基本報酬のみって、きついですよね。
②【2018年~】ケアマネ資格取得のハードル上がる
もともとヘルパー2級などでも取得できていたのが、
介護福祉士などの国家資格を取得した上での「実務経験5年以上」が必須に。
受験者数は 2017年の13万1,560人から、
2018年には約4万9,332人へと大幅に減少。
そもそもケアマネになる人自体が減少しました。
③【2018年~】管理者要件で主任ケアマネ必須に
2018年度の改定で居宅の管理者要件に、
主任ケアマネが登場したのも大きいですよね。
なんせ通算5年以上の経験と、超絶面倒くさい研修が必要です。
これも一人ケアマネの事業所立ち上げのハードルを上げたのは間違いなさそうです。
しかし管理者要件の「主任ケアマネ必須」を見直しの方向へ
そんな中で出てきたのが、冒頭のニュースです。
2026年10月19日の社会保障審議会・介護給付費分科会で、
厚生労働省は次の案を示しました。
・管理者は主任ケアマネでなければならない、という要件を撤廃する
・代わりに、5年の実務経験などがあるケアマネであることを求める
委員から強い反対はなく、
方向性はおおむね了承されたと報じられています。
ただ、この記事執筆時点では、あくまでも案の段階です。
「5年の実務経験など」の「など」の中身も決まっていません。
最新の状況は、
厚生労働省の介護給付費分科会の資料で確認してください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76626.html
もしこのまま決まれば、
「おひとり様ケアマネ」をするためには、主任ケアマネが必須ではないことに。
ハードルが一つ下がる話です。
一人ケアマネという働き方の魅力
ここからは、わたしの考えです。
わたしは、
ケアマネは一人でもやっていける仕事であってほしいと思っています。
働き方を自分で決められる
担当件数。
訪問の時間帯。
休みの取り方。
研修の選び方。
全部、自分で決められます。
子育てや介護、副業と両立したい人にとって、これは魅力的です。
公正中立を貫きやすい
法人に併設サービスがあると、
口には出さないけど自社のサービスを入れる空気、ありますよね。
まあ、連携がとりやすく助かる事が多いのも事実ですが、
もしも事業所間で仲が悪いと大変な事も…
一人の独立型なら、
そういうしがらみがありません。
国が求めている「公正中立なケアマネジメント」に、
むしろ一番近い形だと思います。
辞めずに続けられる受け皿になる
組織の方針に疲れた人。
人間関係で消耗した人。
年齢的に、フルで組織に縛られたくない人。
こういうケアマネさんが、
業界を去るのではなく「一人で続ける」道を選べたら…
多少なりともケアマネ不足の解消につながるのではないでしょうか。
とはいえ一人ケアマネの現実はまあまあ厳しい
当然ですが、いいことばかりではありません。
収入は基本報酬中心(稼ぎ少ない)
居宅介護支援費(Ⅰ)は、
要介護1・2で1,086単位、要介護3〜5で1,411単位(令和6年度改定時点)。
ざっくり40件担当して、月の売上は高くて50万円前後。
ここから、
事務所の家賃、介護ソフト、車、ガソリン代、
社会保険、研修費などを払っていきます。
特定事業所加算は取れないので、
件数を増やす以外に売上を伸ばす方法がほぼないのが現実です。
もしも自分が倒れたら…利用者さんに迷惑
急な発熱。
家族の入院。
自分のケガ。
一人だと、代わりに動いてくれる人がいません。
BCPを作っても、
「誰が代わりに対応するか」が書けない。
ここはしんどいところです。
書類、請求も、営業も、全部自分
運営規程、重要事項説明書、
研修・委員会・訓練の記録、
給付管理と請求、
運営指導の準備、
包括支援センターや行政との折衝
これら全部、
ケアマネ業務の合間に一人でこなすことになります。
相談できる相手がいない
困難事例を抱えたとき、
「これでよかったんかなあ…」
と、ちょっと話を聞いてもらえる相手が隣にいません。
また、何か書類上の不備や間違いがあっても、
複数人の居宅なら誰かが気づく可能性も高いです。
1人で不備に気づかず数年突っ走り、
運営指導で初めてわかる…
なんてこともありえますよね。
「つながった一人」なら、続けられると思う
これら一人ケアマネの弱点は、
裏を返せば孤立から来ているものが多いです。
・いざというときに利用者さんを引き継いでもらえる、近くの事業所との約束
・事例を持ち寄れる仲間
・書類や請求の一部を任せられる外部の手
こういうつながりがあれば、
一人でも十分やっていけると思います。
あともうちょっと国のほうも、
特定事業所加算の要件を一人でも満たせるようにしてくれたら…
「おひとり様ケアマネ」にも少しずつ道が開けるかもしれません。
とはいえわたしが独立するのは今じゃない
では、わたしがすぐに独立するかというと、
そうではありません。
上で書いたとおり、
一人ケアマネは収入の柱が基本報酬ほぼ一本になります。
妻と子ども3人の大黒柱。
「副業とかで収入が安定すれば可能かなあ…」
個人事業主としての体力をつけてからにしようと考えています。
そこのあなたもぜひ「おひとり様ケアマネ」はじめませんか?
(※もちろん、独立して失敗してもわたしはいっさい責任は負えません。)
まとめ
・「一人ケアマネ規模」の事業所は減少し、利用者100人以上の事業所は増加
・特定事業所加算や、管理者の主任ケアマネ要件など、人数の多い事業所が続けやすい仕組みが積み重なってきた
・しかし2026年10月、管理者の主任ケアマネ要件を撤廃する案が示された(まだ案の段階)
・一人ケアマネは自由さと公正中立が魅力。収入・バックアップ・事務・孤立が課題
・孤立しない「つながった一人」なら、続けていける気もする
(この記事は令和8年10月時点の情報をもとにしています)
この記事が、いつか一人で働いてみたいと考えているケアマネさんの参考になれば幸いです。



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