居宅の自然災害BCP、どこまで備える?安否確認と優先業務の決め方【雛形無料配布】

ケアマネのお仕事

こんにちは、CM-T(@freedas_)です。

 

BCP 

 

ああBCP 

 

BCP…

 

ほんと〇ぬほど面倒くさいですよね。

 

さて前回は感染症のBCPを書きました。

 

今回は自然災害のBCP、やっつけちゃいましょう。

 

正直にいいますと、わが事業所ではこの自然災害編が後回しになっておりました。

 

「感染症のほうは何となくイメージできるけどさあ…

地震や大雨のときって言ってもさあ…

居宅のケアマネやしねえ…何をどこまで書いとけばええんやろか…?」

 

面倒くさがりつつ検索して、

施設向けのひな形なんかをいろいろと見たんですけどね。

建物の耐震とかゾーニングとか、

「うちには関係なさそうな項目」が多くて、

「なんかちゃうなあ。。」となってしまいました。

 

同じような思いのケアマネさんも多いのではないかと想像します。

 

そこで今回、たいへん、たいへん、面倒くさい思いをして、

居宅介護支援に必要なところだけに絞って、BCP計画を作り直しました。

…正直、それなりに大変でしたTT

それと同時に、

「うん、やっぱこれって必要やね(オイ)」と再確認しました。

 

この記事ではその経験をもとに、

① 居宅の自然災害BCPで決めておくべき3つのことを整理して、

② 安否確認の優先度と参集基準の書き方を具体的にお伝えし、

③ 居宅介護支援向けのWordの雛形も無料で配布しています。

 

同じ思いを持つ日本全国津々浦々のケアマネさんに届けば幸いです。

 

居宅の自然災害BCP、実はシンプル

施設のBCPは「建物の中にいる入所者をどう守るか」が中心ですよね。

 

でも、居宅は違います。

利用者さんはばらばらの場所にいて、職員も別の場所で被災します。

 

なので、居宅で決めておくべきことは、ほぼ次の3つに集約されます。

 

・誰から安否確認するか
・職員はどう動くか(参集するか、しないか)
・何の業務を続けて、何を止めるか

 

逆に、建物の耐震やゾーニングのような項目は、

事業所の規模に合わせて簡潔に書けば十分だと思います。

 

① 安否確認は「優先度」を先に決めておく

当然、災害が起きてから「どの利用者さんから電話しよう?」と考えていては、間に合いません。

 

そこで、事前に利用者さんを3段階くらいに区分して、リストにしておきます。

 

・A(最優先):独居、医療機器を使用(在宅酸素、人工呼吸器、吸引など)、透析やインスリンが必要、避難に支援が必要
・B:家族が同居しているが見守りが必要
・C:家族の支援があり、自立度が高い

 

このリストは、紙に印刷しておくのが大事です。

停電とネット障害が重なると、介護ソフトが見られなくなりますからね。

 

あわせてA(最優先)の方については、

市町村の個別避難計画が作られているか、

避難先がどこかを把握しておきましょう。

 

② 参集基準は「無理をさせない」形で書く

ここは正直に書いたほうがいいと思っています。

 

当然、職員も被災者です。

 

地震後の停電で信号の消えた道路。

地割れ、隆起、陥没した道路。

大雨で浸水した道路。

暴風で垂れ落ちた電線。

 

これら危険な道になる可能性は大きいわけで、

無理に参集させる計画にすると、危険だし実際には機能しません。

 

そこでうちの雛形では、こう整理しました。

 

・参集する:自分と家族の安全が確保でき、移動の安全も確認できる職員
・参集しない:自宅や家族が被災した職員、経路の安全が確認できない職員、夜間で危険がある場合
・連絡のみ:参集できない場合も、安否と状況は必ず連絡する

 

「夜間・早朝の参集は原則として求めない」と明記しておくのがポイントです。

書いていないと、現場の職員が無理をしてしまいます。

 

③ 優先業務は、「直ちに行う」として安否確認を追加

感染症BCPでは「継続・縮小・休止」の3区分にしましたが、

自然災害では「直ちに行う」を追加するのがおすすめです。

 

・直ちに行う:利用者さんの安否確認
・継続する:生命・健康に関わる支援、サービスの調整、市町村・地域包括との連絡
・縮小する:モニタリング訪問、担当者会議、給付管理(期限の取扱いは通知を確認)
・休止・延期する:新規の相談受付、緊急性のない会議

 

ちなみに災害時には、給付管理の期限や報酬算定の取扱いについて、

国や保険者から特別な措置に関する通知が出ることがあります。

(たとえば、状態変化なければ介護度の更新期限を延長できるなど。)

BCPには「通知を確認する」と書いておきましょう。

 

事業所が使えなくなったときのことも書いておく

見落としがちですが、事業所そのものが被災する場合があります。

 

・代わりに業務を行う場所(法人内の他事業所、各自宅など)
・持ち出すもの(利用者台帳、安否確認リスト、連絡先一覧、パソコン)
・電話の転送設定

 

最低この3つは決めておくとよいでしょう。

 

ハザードマップは必ず確認する

BCPの「想定するリスク」の欄は、地域によって答えが変わります。

 

ハザードマップポータルサイトで、まずは事業所の所在地、

そしてできれば利用者さんが多い地域について、

洪水・土砂災害・地震の想定を確認してください。

必要なリスクに対して絞った対策を取る、根拠となります。

 

「うちは浸水想定区域の外やった」と分かれば、

計画の中身が変わってきますよね。

 

それから、居宅を中心としたハザードマップの画像を、BCPに添付しておきましょう。

 

研修と訓練は年1回以上

感染症BCPと同じく、研修・訓練はそれぞれ年1回以上です。

 

自然災害の訓練は、安否確認の連絡訓練が手軽でおすすめです。

「A(最優先)の利用者さん5人に、実際に電話してみる」だけでも訓練になります。

 

実際にやってみると電話がつながらない方や、

連絡先が古いままの方が見つかるなど、

簡単なわりに、けっこう実用的です。

 

委員会・研修・訓練をまとめて回す方法は、こちらの記事にまとめています。

 

感染症BCPがまだの方は、感染症BCPの作り方の記事も先にどうぞ。

 

【無料配布】自然災害BCP 雛形【居宅介護支援版】

この記事の内容に沿って、居宅介護支援向けのWordの雛形を作りました。

 

・第1章 総論(目的、基本方針、推進体制、想定するリスク)
・第2章 平常時の対応(建物・設備、ライフライン、備蓄、利用者情報の管理、研修・訓練)
・第3章 緊急時の対応(発動基準、行動基準、参集基準、安否確認、関係機関への報告)
・第4章 業務の継続と復旧(優先業務の区分、事業所が使えない場合、復旧の流れ)
・第5章 他事業所・地域との連携
・別紙5点(安否確認リスト、職員の参集・連絡網、備蓄品・非常持出品、関係機関の連絡先、研修・訓練の記録)

📥 自然災害BCP雛形のダウンロードページへ

 

まとめ

・居宅の自然災害BCPは「誰から安否確認するか」「職員はどう動くか」「何を続けて何を止めるか」が中心
・安否確認リストは3段階に区分して、紙でも持つ
・参集基準には「夜間・早朝は原則求めない」と書いておく
・優先業務は「直ちに行う(安否確認)」を別枠に
・ハザードマップで居宅の地域の想定を確認する

 

最終的な内容は、事業所の実情と地域の災害リスクに合わせて調整してください(この記事は令和8年10月時点の情報をもとにしています)。

 

この記事が、同じような気持ちを抱えたケアマネさんの参考になれば幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました