自給自足なら『自給農法』実習④ 苗作りは「根っこの気持ち」になって

自給自足

 

去る5月3日、ブロガーの玉蔵さん主催の自然農講座で学んだ『自給農法』。

 

 

熊本から山梨まで車で参上。

そこで仕入れてきた貴重な情報をシリーズでお届けしています。

 

以前の記事はカテゴリー『自給自足あれこれ』からどうぞ。

 

過去記事はこちら『自給自足あれこれ』

 

実習編4回目の今回は、

「苗の作り方」です。

 

苗づくりは、根っこづくり

自給農法の苗づくりについては、

手作りポットの作り方をご紹介したときに少し触れました。

 

 

上の図では苗づくりに理想的な『土壌』を説明しています。

『通気性』と『水はけ』・『水持ち』がしっかりとしているのが理想の状態なのです。

 

理想的な土壌。

これは「健康的な根っこが育つための条件

とも言い換えることができます。

 

そしてこの苗づくりの重要性を

講師のジャンさんは次のように言っていました。

「種をまいて約1ヵ月間の苗づくり期間が、その作物の一生を決める」

 

つまり、作物の一生を左右する苗作りでは、

「1か月でどれだけしっかりと根っこを作れるか?」

がカギと言えそうです。

 

見えない根っこをどうすれば「いい根っこ」にできるのか?

みていきます。

 

次世代土壌を活用する

根っこがつかんでいる土は、

次の世代を育てるのに適した土壌微生物が豊富な『次世代土壌』

だと座学編でお話しました。

 

 

この『次世代土壌』は、良質な土壌の代名詞ともいえる『団粒構造』の土でもあります。

 

団粒構造の土壌は、

『通気性』『水持ち』『水はけ』

すべて兼ねそろえているので、

次世代土壌は作物を育てるのにもってこい。

 

それから、次世代土壌を使う理由はもうひとつ。

それは植物が育つのに適した微生物(菌)が豊富だということです。

 

むしろ植物が自分たちの子孫である『次世代』のために作っている土壌

その意味ではこちらがより重要なのかもしれません。

 

自分でもこの『微生物と根っこ』に関して調べてみました。

するとおもしろい話があったのでご紹介します。

 

この図では植物の根を、人間でいう『消化器官』として見ています。

 

あの細い根っこのまわりで、

人間の腸と同じように微生物(菌類)が共生していて、

栄養素をやり取りしているのですね。

 

最近は人間の大腸がただの栄養吸収臓器ではなく、

そこに住む大腸菌たちの状態によって、

感情や心理面、免疫や皮膚の状態にまでかかわっている。

マイクロバイオームという考え方がずいぶん一般的になりました。

 

同じように、

根っこも「ただ土から栄養吸収するための器官」ではなく、

菌と共生することで

地上部の茎や葉も健康に育つということだと思います。

 

人間と同じく、いくら栄養素を取り入れても、

共生している菌が元気じゃないと健康になれないのですね。

 

さて、それではそんな『次世代土壌』を活かした苗作り。

どのようにするのかというと…

これがとても簡単!

 

雑草を土ごと抜き、

その『根土』だけを集め、

苗づくりの土としてポットに入れるだけです。

 

雑草の根土を集めて

ポットに入れて、トントンと底を地面に打ち付け、土を締める

 

ポットに合わせた環境設定

ビニールポットの場合

ビニールポットは安価で丈夫。

大量に苗を作りたいときにはやっぱり便利ですよね。

でも根っこが健康に育つために必要な

『通気性』が確保しにくいのが問題でした。

 

講師のジャンさんはこの問題に対して、

土に工夫をほどこすことで対処できると教えてくれました。

 「根土に燻炭を5:5の割合で混ぜる」

実践の人であるジャンさんは、

いろいろな割合で試したうえで、

この『5:5』という比率がベストという結論に達したとのこと。

 

炭は多孔性なので、

通気性や排水性を高めてくれる効果があるそうです。

 

手作りポットの場合

一方、以前ご紹介した根っこが息ができる手作りポット。

 

 

こちらは通気性が抜群なので、

根土をそのまま入れてOK。

 

そして、1番いいのは土を入れたポットを

さらに丸ごと土の中に植えた状態で育て、

育ったところで移植することだそうです。

 

根っこがポットの穴から出ることができるので、

そのまま掘ってまた植えることが可能なのです。

 

私は土に埋めずに複数のポットを密着させて置くことで、土の中に似た環境を作って管理しています。

 

まとめ:苗作りは根っこの気持ちになろう

・苗づくりには『通気性』『水持ち』『水はけ』を満たした土がいい

・根っこがつかんでいる土である『次世代土壌』がその条件を満たす

・次世代土壌は団粒構造で、かつ根っこと共生している菌類が豊富

・ポットの性質により、土壌や植え方を工夫するとよい

根っこが健康に育つ環境を用意してあげれば、

種が「ここはよさそうだ」

と根や芽を出してくれそうな気がしてきます。

 

そうです。

感性で行う自給農法的に言えば

「根っこの気持ちになって土壌や環境を整える」

これができればきっといい苗ができる。

 

そしていい苗は植え替えたあとも

しっかりとした成長が期待できるのです。

 

それでは今回は以上です。

次回は苗の植え替えについて書きます。

 

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました