【自給農法マメ知識】タネの選び方:市販のタネで固定種を見分ける

自給自足

 

今回は『タネのお話』後編です。

前編を読んでいない方はぜひどうぞ。

 

【自然農法マメ知識】いいタネの選び方前編:『F1種』と『固定種』ってなに?

 

前回のお話を超ざっくりと言えば、

○大量生産向き・人口交配・タネ採りできない『F1種』

○自給自足向き・純粋種・タネ採りできる『固定種』

市販のタネにはこの2種類があるという内容でした。

 

さて今回のお話は実際にタネを買うときのお話。

タネの袋を見て『固定種』と『F1種』を見分ける方法です。

 

・『固定種』のタネがほしいけど、どうやって探せばいの?
・売ってあるタネが『F1種』『固定種』どっちかわからない…
・固定種のタネを買うときにおすすめお店はあるの?

 

今回はそんなあなたの疑問を解決する内容になっとります。

 

タネの袋を見て『固定種』を見分ける!

タネを買ったら、袋の上のほうを見てみましょう。

上の写真のように『○○育成』と書いてあるか、

何も書いていない場合は『固定種』のタネです。

 

そして上の写真のように

『一代交配』『○○交配』と書いてあれば、

『F1種』のタネです。

 

なぜ何も書いてない場合に『固定種』であるといえるのか?

・タネ界(?)の常識では、『F1種』のほうが商品価値が高い(高い値段で売れる)

・そのため売る側は「このタネは『F1種』だよ!」とアピールしたい

・なので『F1種』であれば必ず表示するはず。
=何も書いていなければ『固定種』

こういうロジックです。

 

ちなみに、『一代交配』と『○○交配』の違いは、

『○○交配』:○○という会社が自社で交配したタネを販売するときに表示

『一代交配』:○○という会社が、ほかの会社や研究室などで交配したタネを代理販売するときに表示

という違いです。

 

『固定種』がほしいなら…野口のタネ

ホームセンターなどの一般の量販店では

『F1種』のタネが主流になっており、

『固定種』のタネは手に入りにくい状況です。

 

ところが今の時代は便利なもので、

タネもネットで買うことができます。

 

そこでご紹介するのが『野口のタネ』というタネ屋さん。

 

店主の野口勲さんという方(写真の人)は、

本を何冊も出版されていますし、

講演などもされる有名な方です。

 

在来種や固定種が消えていく未来を憂いて

さまざまな活動をされています。

 

 

上の写真をお借りした

『NEXT WISDOM FOUNDATION』の記事は

詳しく書かれていますのでぜひ読んでみてください。

 

この中で野口さんが語っている

最後の一文をご紹介します。

このままだと世界はお金持ちや大企業の思う方向に進むだけであって、その中で私たち個人が生き延びるためには、自分でタネをまいて野菜を育てて、それを食べて、自分でタネを採って、それを自分の子供につなぐしかないと思っています。

それをやるかやらないか、それはあなたがたの問題です

うちはタネを提供するだけです。そして一度買ったタネは二度とうちから買わないでほしい、タネをちゃんと採って欲しい。あなたの土地に合ったタネを育てて欲しい。それが野口のタネの営業方針です。

NEXT WISDOM FOUNDATION

 

 

ヤバい

感動して正直ナミダがちょちょぎれました。

こんなrockなタネ屋は世界に一つだけでしょう。

ここのタネなら安心して使うことができますね。

 

野口のタネのネット販売はこちらです。

 

 

まとめ:タネとニンゲンと世の中と

タネの世界もよくよく調べてみれば、

本当にいろんな事情があることが判明。

 

今回思ったのは、

ふだんは敵視しがちな『F1種』『肥料』『農薬』なども、

必要悪だということ。

 

野口さんもこう語っておりました。

F1野菜はいまの社会に必要なんですよ。
昔は日本の8割の人がなんらかの農業をやっていました。
お侍だって自分の畑を耕して野菜を育てていました。
それがどんどん工業化が進み、
高度成長期になると農村部に残って食べ物を育てる人が少なくなった。
いまの日本では、215万軒(H27時点、農水省統計)の農家が1億2000万人の食べ物を作っているわけです。
だから効率が良くないといけないし、
周年栽培(1年中栽培すること)して供給しなければならない。
だから社会全体の食の需要を賄うにはF1のタネが必要なんです。

「よくない!よくない!」と叫ぶのは簡単。

「あ~これ問題大きすぎてどうしょうもないや!」とあきらめるのも簡単。

 

でも叫ぶだけでは現実は変わらないことを知っているし、

こどもたちのことを考えればあきらめるわけにもいかない。

 

「じゃあどうすんの?」を考え続けることと、

小さくても何か行動を起こすことだろうと思います。

 

微々たるコトかもしれませんが…

・固定種のタネを使い、なるべく自分たちでタネ採りを続けていくこと

・なるべく意識の高い農家さんから野菜を消費すること

・型にはめない教育、その子の個性を認めるような育て方をすること

できることをやっていくしかない

と思う今日このごろです。

 

以前書いた『自給農法』は、

頑張らずに自給自足やタネ採りができる

理想の農法だと思います。

 

3つめの教育に関して補足します。

・雑草のない黒い畑に、同じ作物がたくさん並んでいて、農薬や肥料で育てる

・過剰に清潔な学校などの環境で、一律的に同じ常識や観念を教え、薬(予防接種含む)や栄養を計算した給食で育てる。

上の二つは畑と学校を対比しています。

なんだか似ていますよね。

 

人間は自分がしていること、自分が教育されたことを

無意識に相手(ヒト・モノすべて)に対してもするし、求める。

これは自然なことですよね。

 

幼い頃から自分がされたこと。

畑に対して疑問を抱かずやっちゃうのは

あたりまえの心理だと思うのです。

 

だから「サラリーマン養成工場」である

現在の学校教育を受けた人たちの意識が、

畑にも投影される。

 

逆に言えば、

個性をまるごと認められた経験を持つことで、

多様な価値観を受け入れられる子供が増えれば、

畑も変わる。

消費心理も変わる。

世の中が変わる。

というのがわたしの仮説です。

 

雑草だらけのウネに、

カボチャとナスとピーマンとトマトと人参がいっしょに育つ畑。

そんな畑をこどもといっしょに作るのが、

いまわたしにできることだと信じて、

今日もちまちま畑をやっとります。

 

とまあこんな感じで今回はここまでです。

さいなら~

 

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